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東京造形大学 2022年度担当授業


 哲学A (山本恵子) 学部・前期・講義科目
[授業の目的]  哲学の基本的な考え方を学び、哲学の定義と意味について理解することを講義前半の目標とします。例えばある回では「宗教と哲学の違いは何か?」という問題について考察します。両者には重なり合う部分もありますが、根本において異なるものですから、この考察は哲学の独自性についていくばくかの知見を与えることになるでしょう。こうしてまずは哲学を楽しむ土台を作っていきます。その先には、ただ授業を「きいてわかる」ことに留まらずに,「考える」「疑う」「批判する」などの哲学的営為に親しむという目標が待っています。講義後半では、人間を幸福にする社会の実現可能性に目を向けた哲学者の理論を刺激剤として「philosophieren(哲学する)」ことへと向かいましょう。 
[授業の計画] 1. 授業ガイダンスとイントロダクション:知を愛すること 
2. 古代の哲学:「アルケー」の探究 3. 哲学の体系 4. 古代の哲学:イデア・芸術・国家(プラトン) 
5. 中世の哲学:キリスト教における神の愛 6. 中世の哲学:信と知 
7. 近代の哲学:神から人間へ/啓蒙思想/カント 8. 哲学体系の中の芸術(1)ヘーゲルの芸術終焉論 
9. 哲学体系の中の芸術(2)モリス・ラスキン・マルクス 10. 哲学体系の中の芸術(3)ユートピアの思想 
11. 理念と現実 12. 神をめぐる現代の諸問題 13. 功利主義 14. 総括 
[授業の内容] 古代、中世、近代の哲学を俯瞰します。具体的には、芸術、政治、経済などの領域とも接点をもちつつ、時代ごとに変遷してきた哲学的問いに触れ、「世界の本質」とは何か?「生きる意味」とは何か?という問いにアプローチします。 
 哲学B (山本恵子) 学部・後期・講義科目
[授業の目的] 〈わたし〉と〈他者〉というモティーフから導出される諸テーマについて、ニーチェ哲学や現代の承認論などを手がかりに考察します。わたしと他者の間(あいだ)には共感、支配、理解などに媒介されて「関係」が生じますが、関係として形づくられる様々なシステムを「道徳」「権力」「大衆」といった観点からみていきましょう。わたしと他者とのディアレクティークによってみえてくる世界は、わたしという存在を問い直すきっかけになるはずです。
[授業の計画] 1. イントロダクション 2. 〈わたし〉とは何者か 
3. ニーチェ:生の意味への問い 4. ニーチェ:共同性と孤独 
5. 優越願望と対等願望(1) 6. 優越願望と対等願望(2) 7. 承認不安と〈わたし〉 8.〈わたし〉大好き 
9. アーレント「凡庸な悪」 10.「良心」の思想:die Weisse Rose(白バラ) 
11. サルトルとボーヴォワール:実存主義・アンガジュマン・自由恋愛  
12. 精神と身体/身体の拡張と切断(マクルーハンとヴェルシュ) 
13. 存在の空虚について:ポストヒューマンとトランスヒューマン 14. 総括  
[授業の内容] 本講義では以下の3つのフェーズから〈わたし〉と〈他者〉について考察します。
(1)ニーチェ哲学 (2)ヨーロッパ現代思想 (3)現代日本の自己=他者関係をめぐる諸理論 
 美学A (山本恵子) 学部・前期・講義科目
[授業の目的] 美しいと感じる気持ちは、わたしたちの生に何を与えるのでしょうか。また、現代日本において美しいということにいかなる意義が見出されているのでしょうか。本講義ではこうした問いを受講者のみなさんに投げかけます。なぜならわたしたちが思っているほど、美しいということの意義は自明ではないからです。〈美しくない芸術〉が一般化した現代において、その自明性はいっそう揺らいでいます。みなさんには、この問いかけを自分自身の問題として引き受けていただきたいと思います。そして、時代と社会の分析をつうじて、自分なりの答えを導き出してください。
[授業の計画]  1.授業ガイダンスとイントロダクション:メタ美学——美学の意味を問う 2. 美しい人 
3. 古代の美——秩序の美と狂気の美 4. 美しいことは善いことか?善いことは美しいか? 
5. 美の条件 6. 天才 7.「よい趣味」の基準(1):カント、ヒューム 
8.「よい趣味」の基準(2):グリーンバーグ、ブルデュー 9.「よい趣味」の基準(3):現代日本の諸相 
10. 文化産業(アドルノ) 11. アートワールド(1) 12. アートワールド(2) 13.「かわいい」の美学 14. 総括
[授業の内容]  美学において美の基準がいかに変遷し、理念的なものから制度的なものに関係づけられていったのかを辿ります。また授業では、毎回、授業の要旨を記入する「レヴューシート」に取り組んでいただきます。最終回には見解や考察を記入します。
 美学B (山本恵子) 学部・後期・講義科目
[授業の目的]  美学史において生起した数多くの概念のうち、本講義では〈対概念〉を毎回のトピックとして提示し、考察します。トピックは具体的ですが、それらを理想と現実、客観性と主観性、絶対性と相対性、普遍と個、形式と内容などの本質的な対立諸概念に還元し、美や芸術の根本問題が何であったかを探究します。
[授業の計画] 1. 美学と反美学ーモダンとポストモダン  2. 芸術のための芸術/社会のための芸術 
3. 美/醜(美的カテゴリー論)  4. 伝統と流行  5. アポロン的なもの/ディオニュソス的なもの(1):陶酔について 
6. アポロン的なもの/ディオニュソス的なもの(2):古代悲劇における陶酔(ニーチェ) 
7. アポロン的なもの/ディオニュソス的なもの(3):現代の陶酔––コンサートとカリスマ–– 
8. 美か?わいせつか?(1)  9. 美か?わいせつか?(2)  10. 作品vs芸術家  11. 勝利の美学と敗北の美学? 
12. 政治と芸術(1):大ドイツ芸術と退廃芸術  13. 政治と芸術(2):レッド・パージ   14. 総括
[授業の内容] ものごとは〈両義的〉なものです。利ゆえに害もある。ものごとの一面だけを与えられるままに受容するのではなく、多面的・客観的に認識する力をつけるべく学んでいきましょう。
聞きながら考えること、考えながら書くことを心掛けながら、受講生は毎回、授業の要旨をレヴューシートに記入してください。最終回は見解を書く回とします。

 記号論 (山本恵子) 学部・後期・講義科目
[授業の目的] ウンベルト・エーコらの記号論を手がかりに、テクスト(作品)とその解釈をめぐる諸問題を考察します。作者(作り手)−作品(作られたもの)−観る者(受け手,解釈者)の間にはりめぐらされた多様な関係性について理解を深めることが目的です。記号論者・記号学者たちが展開した、記号とメディアの問題についても見識を広げましょう。
[授業の計画] 1. イントロダクション−–記号の定義  2. シニフィアン/シニフィエ/シーニュ/コード 
3. キリスト教における言葉ともの––「はじめに言葉があった」 
4. キリスト教と記号−–神の痕跡としての世界(エーコ『薔薇の名前』)  5. エーコ『開かれた作品』 
6. ソンタグ『反解釈』  7. 意味のメカニズム(荒川修作)  8. 広告の記号と「神話作用」 
9. 消費と記号−–ファッションの記号性と1980年代の記号論ブーム  10. 記号の国 
11. シミュレーション/デノテーション/コノテーション 
12. 美術と記号(1)−–象徴(シンボル)と寓意(アレゴリー)  13. 美術と記号(2)−–イコノロジー  14. 総括  
[授業の内容] なぜ人間は記号を用いて生きるのか。そこにどのような意味や価値が生じるのか。根源的な問いを共有しつつ、記号と文化の関係を考えます。まずはキリスト教の世界観を記号論的に説明します。
次にウンベルト・エーコらの解釈についての考察を紹介します。作者が作品にメッセージを込め、それを鑑賞者が作品から受け取るという素朴な構造に対し、鑑賞者も作品の意味生成に創造的に関与しうることを〈作品の開かれ〉として論じています。エーコの議論を始点に、解釈の自由について多角的に検討します。
記号論の基本概念を学んだあとは、記号の流通を支配する消費とメディアの問題、「日本」や「異文化」のコードを意識した記号解釈の実例などに触れます。ショッピングから恋愛にいたるまで、さまざまなコミュニケーションがおびただしい記号表現とその解読によって成立していることに気づくはずです。
授業の後半では、芸術作品という記号とその解釈をめぐる制度の歴史をみていきます。
また授業では、毎回の要旨と最終回の見解の記入に取り組んでいただきます。 
 芸術学A (山本恵子) 学部・後期・講義科目
[授業の目的] 「芸術学」の成立(19世紀)に始まる芸術の学問的礎を習得することを目指します。「芸術とは何か」を問う一般芸術学から、個々の芸術ジャンルを実証的に論じる個別芸術学まで、芸術学の基本的な考え方を見ていきましょう。 
[授業の計画] 1. イントロダクション 
2. 芸術学(Kunstwissenschaft)の射程(フィードラー/デッソワー/ウーティッツ) 
3. 芸術の定義-儀式と芸術 4. アリストテレスの芸術論(カタルシス・ミメーシス・ハマルティア) 
5. 詩は絵のごとく/絵は詩のごとく-ラオコーンをめぐる芸術論(ホラティウス/ヴィンケルマン/レッシング/グリーンバーグ) 
6. 美術における時代と様式(ヴェルフリン/パノフスキー) 
7. 建築における時代と様式(1) 8. 建築における時代と様式(2) 9. ゲーテとロマン主義 
10. 音楽における時代と様式(古典主義とロマン主義) 11. バレエにおける時代と様式(古典主義とロマン主義) 
12. ロマン主義庭園の時代と様式 13. 芸術と精神分析 14. 総括 
[授業の内容] 授業前半では、芸術学という学問の成立と射程について学ぶとともに、その中核となる芸術論者たちの成果を紹介します。授業後半では、芸術諸ジャンルにおける「ロマン主義」の理解を深めることなどを通じて、芸術学の方法論の基礎を学びます。
 芸術学B (山本恵子) 学部・前期・講義科目
[授業の目的] 芸術学という学問が、芸術家たちによる"芸術の革新"をいかなる形で理論化し、意味づけたのかを探究します。具体的には、近現代の芸術とその理論を扱います。
[授業の計画] 1. 近代日本の芸術論(1)没理想論争 2. 近代日本の芸術論(2)九鬼周造『「いき」の構造』 
3. 近代日本の芸術論(3)和辻哲郎『風土』 4. 近代日本の芸術論(4) 日本のプロパガンダ(1) 
5. 近代日本の芸術論(5) 日本のプロパガンダ(2) 6. 現代芸術の潮流(1) 7. 現代芸術の潮流(2) 8. 視覚と芸術 
9. フォーマリズムの系譜 10.フルクサス 11. ポストコロニアリズムと芸術 12. 芸術の陰謀(ボードリヤール) 
13. 人新世の芸術論:AIと現代アート 14. 総括 
[授業の内容] 授業前半では近代日本の芸術論、後半では近現代の西欧の理論を中心としたさまざまな芸術の潮流について俯瞰します。ゲスト講師による授業も予定しています。
 日本語表現法 (山本恵子) 学部・前期・演習科目 :初年度教育
[授業の目的] 大学生になると「書く」技術が求められる様々な場面に遭遇する。講義系科目ではしばしば課題としてレポートの提出を求められる。レポートは、自分が思うままに書く感想文やエッセイとは異なり、与えられたテーマ、または自分が設定したテーマについて、参考文献を使って実証的に論証していく必要がある。この授業では,適切なレポート作成の方法を学ぶ。レポート作成の準備段階には情報を収集する、情報を整理する、自分の考えをまとめる、人に分かりやすく説明する、などが含まれるが、これらは社会人として必要とされる技能・能力の基本的要素でもある。
 C 群演習A3(死の文化史) (山本恵子) 学部・後期・演習科目
[授業の目的] 死は〈私〉にとって、決して知りえないものです。それゆえに哲学、宗教、そして芸術も、死を多様なイメージにおいて描き出してきました。死は絶対的な孤独といえますが、皆に必ず訪れるという意味では共同的性格を有しています。死は恐怖であり、ときには憧れの対象でもありえます。死に対するアンヴィバレンドな感情は、人間存在を問いへ、表現へと駆り立てつづけるでしょう。死の深淵は、日常生活において忘却されつつも、深く大地に伸びる文化の根なのです。授業では、数々の文化的事象をつうじて死の本質へと迫り、死の文化史を辿ることで文化の本質に近づこうとする、そうした双方向的で柔軟な考察に挑戦していきます。
[授業の計画] 1. イントロダクション:死を問題化する学問とその方法 
2. 講義:一人称・二人称・三人称の死と過去・その瞬間・未来の死 3.講義:日本映画における死と美 
4.~13. プレゼンテーション&ディスカッション(1)~(10) 14. 総括
[授業の内容] 担当教員による講義回と受講者によるプレゼンテーション回とで構成されます。(受講者数により授業計画を変更する場合があります。) 講義では、哲学的な死の分類、法や医学における死の分類、芸術作品における死の表現などのトピックを紹介します。 発表では「死を文化的観点から扱う」こととしますが、具体的なテーマについては個々の受講者が関心に基づいて自由に決定します。 
 美学特論 (山本恵子) 大学院(修士課程)・後期・講義科目
[授業の目的] モダン・ポストモダンの時代を中心に、美学の諸問題について考えます。また講読(インプット)と発表(アウトプット)を並行しておこなっていくことにより、受講者が芸術に対する自らの根本態度を美学的に整理するきっかけになればと考えています。また同時に、他者に対して明瞭に言語化する能力の向上を目指します。
[授業の計画] 1. 導入講義:形式・内容・素材-ジェンダーの美学を手がかりに 2. 講義:歴史と創造性 
3. 講義:モダニズム概説 4. 講義:グリーンバーグ「モダニズムの起源」 
5. 講義:絵画におけるモダニズム/写真におけるモダニズム 6.~10. 発表(1)~(5) 
11. 講義:彫刻のモダニズムとポストモダニズム/建築のポストモダニズム 12. 講義:岡本太郎と対極主義  
13.~14. 発表(6)~(7)
[授業の内容] モダニズムとポストモダニズムについて考察します。この授業では、モダニズムを主に時代区分として扱い、芸術はいかにして歴史化されてきたのか、現代アートは今後いかなる形で歴史化されていくのか、などの諸観点から,現代アートの今後を考えます。 一人につき1回の発表を行います。発表は、作品について社会状況や芸術史とからめてプレゼンテーション&ディスカッションをする“知的訓練”の場とします。 講義とプレゼンテーションとディスカッションを組み合わせた参加型の授業であると考えてください。 なお、受講者人数によっては、シラバスの日程と内容が変わる場合があります。 
 造形特別理論 (山本恵子) 大学院(博士後期課程)・前期・講義科目
[授業の目的] 本学の研究教育活動は、造形行為を自己表現を超えた社会への貢献という使命に見出すことを意義としている。学内進学者はもとより、学外からの進学者、留学生などが、「社会をつくり出す創造的な造形活動の探究と実践」という建学の精神を理解し、研究活動の目指すべき方向性を、この講義を通して考えることを目的とする。
[授業計画] 1. イントロダクション 2. 桑澤洋子とバウハウスおよび造形教育(1)  
3. 桑澤洋子とバウハウスおよび造形教育(2)  4. 桑澤洋子とバウハウスおよび造形教育(3) 
5. グラフィックデザイン(渡部千春) 6. 造形教育(石賀直之) 7. メディアデザイン(粟野由美) 
8. 室内建築(地主広明) 9. アニメーション(本学教員) 10. 映画・映像(本学教員) 
11. テキスタイル(鈴木マサル) 12. 彫刻(ゲスト講師) 13. 絵画(豊嶋康子) 14. 総括 

[授業の内容] 創立者桑澤洋子の社会的活動を講義の中心として、桑澤や桑澤とともに日本のデザイン・美術界を牽引した本学創立メンバーが、戦後日本のデザイン界に果たした役割の大きさ、その意義を考察する。授業担当教員に加え、本学教員またはゲスト講師を迎えて講じる。授業内容を通して、時代動向と造形活動との関連性などを考える。
 大学院修士課程(美術専攻領域)研究補助教員(授業名:美術制作研究Ⅰ)

 

 

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