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授業(早稲田大学・2013年度)

 


担当科目

生活環境美学(山本恵子)

文構・文・一文・二文_合併 春学期

授業概要 
 本講義においては「美しさ」という言葉の広がりをわたしたちの生活環境の場面のうちで考えてゆきます。
 「美しさ」は、一般的に、芸術に特権的に帰せられます。しかしながら、そのような美の既成観念は、じつは美の広がりのごく一部ないしは特定の時代の一局面でしかないといえます。この作品(モノ)は美しい、といった既成観念を捨ててください。
 むしろ美の広がりは、わたしたちを取り巻く世界、わたしたちの身体、そして私たち自身につねにかかわるものであるといえるでしょう。わたしたちの習慣化されたしぐさの継承、モノやお金やことばによるコミュニケーションのたえざる流れ、可視・不可視を問わず張り巡らされたネットワーク、制度とそれを超えでる力との葛藤――これらは美の基盤であり、同時に美的対象でありえます。もちろんこれが、文化の本質でもあります。そして「美しいもの」は、モノとして美しいのではなく、絶えず動いてゆくわたしたちの生活環境の中ではじめて美しくもなり、醜くもなるのです。
 こういった観点を前提としつつ、個人のマナーから身体、衣食住、芸術、宗教、果ては国家の美までを、射程とします。

授業の到達目標
 本講義では身近な生活環境を、自己と自己の文化を知るために開かれたひとつのトポスとしてとらえることが要求されます。そのために、
(1)日常のさまざまな美的情報・感性情報に敏感であること (2)そこに社会問題、倫理的問題、宗教的問題などとの連関を見出すこと (3)見出された問題を学問的方法論を用いて考察・批判すること
をつうじて問題認識力と思考力を高め、生活における美の価値について理解することが目標です。

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授業計画
[第 1回] 「生活環境美学」とは何か
[第 2回]「生活環境美学」の系譜
[第 3回] 消費における〈無感性化〉
[第 4回] 商品化される自然
[第 5回] 日常とアートとの間
[第 6回] 美は実用的なものか?
[第 7回] アーツ・アンド・クラフツ運動とマルクス主義
[第 8回] 陶酔する日常と非日常(1)ギリシア劇場における陶酔
[第 9回] 陶酔する日常と非日常(2)コンサートとショッピングモール
[第10回] 陶酔する日常と非日常(3)陶酔とカリスマ
[第11回]〈日本的感性〉について考える(1)「カワイイ」批判:リチーと村上隆
[第12回] 食と日本の現在
[第13回]〈日本的感性〉について考える(2)滅びの美学「パトラッシュ」
[第14回]〈日本的感性〉について考える(3)滅びの美学「高貴なる敗北」
[第15回] 住環境をめぐる趣味論/まとめ――美しく生きる――

教科書
酒井紀幸・山本恵子『新版 美/学』(大学教育出版、2009年)
参考文献
山本正男『生活美学への道』(勁草書房、1997年)
山本恵子『ニーチェと生理学』(大学教育出版、2008年)
他、随時教場にて指示します。

 

美学2(山本恵子)

文構・文・一文・二文_合併 秋学期

副題:美は普遍的なものか?

授業概要
 世界に、〈誰が見ても美しい絵画〉は存在するのでしょうか? また、〈誰が聞いても美しい音楽〉は存在するでしょうか? 芸術に関する美的判断においては、こうした普遍性が求められ、美しいものの法則性やパターンについて古来より研究されています。しかし実際には美的判断において、個人差・世代差・地域差などによる違いが生じることも少なくありません。美学という学問は、こうした意味での美の不確定性に常に晒され続けてきた、といえます。本授業ではこのことを前提として、美の感受や芸術理解の普遍性に関する多様な美学的テーマについて論じます。
 具体的には、社会階級の差異と芸術嗜好の関係といったテーマのほか、何が芸術の価値を決定するのか?という問いに基づいた諸テーマを論じます。(詳細は、オンラインシラバスの授業計画を参照してください。)また、各回の授業ごとに質問や見解を書いたレヴューシートを提出していただくことで、なるべく対話形式に近い授業形態を模索したいと考えています。

授業の到達目標
 美学の基本概念を習得し、「美」「趣味」「芸術」をめぐる根本問題の概要を理解することにより、美学を研究するための礎となる力を身につけることを到達目標とします。
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授業計画
第 1回] 導入(1)――感性を言葉にすること
[第 2回] 導入(2)――美学史概観
[第 3回] 美の根拠(1) 「美しい人」
[第 4回] 美の根拠(2) 美の倫理
[第 5回] 美の根拠(3) 「天才」
[第 6回] 美の根拠(4) ものが美しく見えるということ(カント/ニーチェ)
[第 7回] 趣味論(1) よい「趣味」とは何か(カント/ヒューム)
[第 8回] 趣味論(2) 「大衆の趣味」論(グリーンバーグ/ブルデュー/現代日本)
[第 9回] 「流行」と「伝統」をめぐる芸術の哲学(ニーチェ)
[第10回] 芸術の制度(1) 「アートワールド」(ディッキー/ダントー/村上隆)
[第11回] 芸術の制度(2) アートを語る力
[第12回] 芸術の制度(3) アートワールドの「外」で
[第13回] 芸術の制度(4) 芸術文化政策
[第14回] 芸術の制度(5) 芸術とナショナル・アイデンティティ
[第15回] まとめ

教科書
酒井紀幸・山本恵子『新版 美/学』(大学教育出版、2009年)
参考文献
教場にて指示します。

複合文化論系演習 感性哲学1(美と芸術の感性研究)
(山本恵子)

文化構想学部 春学期

授業概要
 芸術の本質が創造性にあるとすれば、その本質ゆえに、芸術の定義(「芸術とは-である」)は常に更新され続けなければならない運命にあります。なぜなら、既存の芸術を超えて新たな芸術が生み出されるときには、同時にそれに合う芸術の定義が新たに必要とされるからです。本演習は芸術作品を理解する基盤となるこの〈芸術の定義〉を問題にします。とくにデュシャン以降の現代アートをめぐる状況において一層複雑化する〈芸術の定義〉の可能性を探ることを目的とします。
 授業の前半では、有益な議論を実現するために必要な基礎知識を蓄積するべく、20世紀後半のさまざまな芸術理論について論じられているテクスト(シンシア・フリーランドの著書『でも、これがアートなの?――芸術理論入門――』)を用いて授業を進めたいと考えています。この書は、古代・中世・近代・現代の基本的な芸術理論に加えて、ジョン・デューイ、ジャン・ボードリヤール、クレメント・グリーンバーグ、アーサー・ダントー、ジョージ・ディッキーら、20世紀の思想家・批評家たちの諸理論にも言及しています。
 授業の中盤・後半では、現代アートの諸相の中から各自の関心に基づくテーマを自由に設定し、プレゼンテーションをおこなうこととします。
 演習形式の授業ですから、現代アートを鑑賞する際の解釈の仕方や疑問について、受講者のみなさんが率直に意見を交換できる場にしたいと思います。
授業の到達目標
 現代アートに関する知識を習得し、その知識を活かしたプレゼンテーションとディスカッションを行う中で、アートと社会の関係、アートと生の関係を理解することが到達目標です。

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授業計画
[第 1回] イントロダクション:「おぞましいもの」のアート
[第 2回] 「コンセプチュアル・アート」
[第 3回] 「落書き」のアート
[第 4回] 現代アートの諸相
[第 5回] プレゼンテーション(1)
[第 6回] プレゼンテーション(2)
[第 7回] プレゼンテーション(3)
[第 8回] プレゼンテーション(4)
[第 9回] プレゼンテーション(5)
[第10回] プレゼンテーション(6)
[第11回] プレゼンテーション(7)
[第12回] プレゼンテーション(8)
[第13回] プレゼンテーション(9)
[第14回] プレゼンテーション(10)
[第15回] 総括

教科書
シンシア・フリーランド『でも、これがアートなの?――芸術理論入門――』(藤原えりみ訳、ブリュッケ、2007年)
参考文献
酒井紀幸・山本恵子『新版 美/学』(大学教育出版、2009年)

 

愛の制度(山本恵子)※代講(5月から)

文構・文・一文・二文_合併 春学期

副題:愛と性の諸相―聖と俗のあいだ
授業概要

 文化(異文化)を理解することは、その文化における愛の構造を理解する、あるいはその形を実感することに他なりません。
 日本人にとって「愛」という概念は、いささかよそよそしいものと感じられるのではないでしょうか。「愛している」ということばをあまり耳にしないのも確かでしょう。  本講義においては、「愛」についての様々なコンテクスト(文化、芸術、宗教、社会、法、経済)を踏まえたうえで、異なる文化や異なるメンタリティ間の「愛」の位相差を検討していきます。
 その際、皆さん自身で問いを立ててみて下さい。たとえば、利害を度外視し、肉欲を超え出た純粋な愛は存在するか、と。人間と神との関係にあっては可能かもしれません。しかし人間と人間との愛においては、そのような関係はとても難しいのではないでしょうか。私たちの存在はとても弱いものです。自分自身でもどこへ行ってしまうかわからない。そんな不安定な人間を何かが支えているという側面があります。じっさい何かしらの制度に守られて私たちは愛を実現しているわけです。たとえば、結婚という制度がそれです。キリスト教圏においては、かつては教会が、そして今日では裁判所がこの制度を支えてきました。しかしこの制度も文化圏によって異なり、その結果愛の実現のあり方も異なります。さらに後の世代にとって既存の制度が桎梏となり、その制度を改変しようとすることはしばしば見られることです。そして「愛」の形もそれにつれて変わっていきます。
 本講義においては、一方で、このもっとも崇高で抽象的な「愛」の広がりを確認するとともに、他方ではきわめて具体的なレベルでの愛のあり方とその制度について検討していきます。当然のことながら、欲望、死、名誉、権力、価値、神といった事柄についても考えていきますし、売春、同性愛、心中、偏愛といった形についても検討する必要があるでしょう。
授業の到達目標
 「愛」という概念を現実の諸相において様々な観点から理解するとともに、社会や制度の発展における愛の諸形態の変遷を検証する。

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授業計画
[第 4回] 人間への愛(1)死と愛のファンタジー
[第 5回] 人間への愛(2)死と愛のリアリティー
[第 6回] 人間への愛(3)死と愛のモラリティー
[第 7回] 小テスト1回目 神への愛(1)
[第 8回] 神への愛(2)
[第 9回] ギリシャ・ローマにおける愛
[第10回] 自由恋愛―サルトルとボーヴォワール
[第11回] 愛のアート(1)
[第12回] 愛のアート(2)
[第13回] 性愛の哲学(1)バタイユの思想
[第14回] 小テスト2回目 性愛の哲学(2)売春をめぐる哲学
[第15回] モノへの愛

 

芸術論(山本恵子)

文構・文・一文・二文_合併 秋学期

副題:コミュニケーション・メディアとしての現代アート
授業概要
 本講義では、現代アートの社会的機能を理解することを目的に、さまざまな芸術作品を題材として取り上げ、その形式と意味について論じます。
 芸術の意味をめぐっては、社会のコンテクストを離れて、「芸術のための芸術(l'art pour l'art)」という一つの自律的領域を形成することが至上命題とされた時代もあります。しかし芸術は、他のあらゆる活動と同様に、社会の内部で営まれる活動であり、古代より各時代・地域の状況に惹起され、多様な社会的機能を負ってきたのです。例えば芸術はときに社会の理想を表現し、社会を纏める媒体となります。逆に社会を批判し、社会の方向性を問う媒体となることもあります。そしてそうしたことが可能なのは、芸術が、本来的に異なるバックグラウンドを持つ人間同士の間で、各々の立場を止揚してコミュニケーションをとるための触媒となりうるからです。それゆえ本講義では、国家、民族、宗教、政治、世代、性、家庭等のギャップに根ざし深刻化している社会問題と現代アートとが繋属されて生まれる有機的トポスをめぐって、芸術の存在意義を論じることになるでしょう。
 具体的には、20世紀後半以降の現代アートの潮流を中心に論じますが、単に現代アート史として概観するのではなく、芸術によってさまざまな不和や齟齬を飛び越えて人と人とがつながれ、芸術がことばを超えた〈ことば〉となる瞬間を感受する場にしたいと考えています。
授業の到達目標
 現代アートの諸作品についてその時代状況や技法に関する知識を身につけるとともに、その社会的機能について理解を深めることが本講義の到達目標です。
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授業計画
[第 1回] 導入(1)
[第 2回] 導入(2)
[第 3回] 問い:アートは社会を変えられるか?
[第 4回] アートの公共性
[第 5回] アーティスト:ヨーゼフ・ボイス(1)
[第 6回] アーティスト:ヨーゼフ・ボイス(2)
[第 7回] 芸術の社会化――「障害者アート」への取り組み
[第 8回] アーティスト:ハンス・ハーケ
[第 9回] アーティスト:アイ・ウェイウェイ
[第10回] ANPO
[第11回] 文学と音楽(サルトル:アンガジュマンの文学 他)
[第12回] ジェンダーの美学
[第13回] 自己/コミュニケーション(草間彌生)
[第14回] 生と死のコミュニケーション
[第15回] 震災とアート――“紐帯”としての芸術
教科書
指定なし
参考文献
教場にて指示します。

 

美学1(山本恵子)※代講(5月から)

文構・文・一文・二文_合併 春学期

副題:日常性の美学
授業概要

 文化小説、絵画、音楽などといったさまざまなジャンルの、いわゆる「芸術作品」をはじめとして、私たちが日常的に接するモノの世界を手がかりに、美の諸相を検討することがこの講義の課題です。出発点となるのは、私たちがごくあたり前に通り過ぎる街並みであったり、何気なく見ているテレビの映像であったり、あるいは駅の構内においてもはやその存在さえ忘れてしまっているような音のクラスターです。つまり五感を通じて入ってくるさまざまな日常を振り返ることからすべては始まるのです。したがってその際何ものかを美しいと、あるいは醜いとみなす私たちの経験の有り様もあわせて考えることになりますが、このことはとりもなおさず私たちにとって「リアルである」ということがいったいどういうことなのかを問うことでもあるのです。
授業の到達目標
 日常性という観点から美や芸術の諸現象を解き明かす。

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授業計画
[第 4回] 記号と美(1)
[第 5回] 記号と美(2)
[第 6回] 作品の〈開かれ〉(1)/芸術
[第 7回] 小テスト1回目 作品の〈開かれ〉(2)/テレビの美学
[第 8回] 映画の美学(1)
[第 9回] 映画の美学(2)
[第10回] 美と政治
[第11回] 未定
[第12回] 未定
[第13回] 小テスト2回目 未定
[第15回] 未定

 

担当科目(複数教員担当科目)

複合文化論系演習 感性哲学3(産業・技術・地域社会にかかわる感性研究)(土井善晴/山本恵子)

文化構想学部 春学期

副題: 食文化・食産業の感性研究

授業概要
 本演習では、食文化(Food Culture)・食産業(Food Industry)に関するさまざまな事例を取り上げながら、人と物との関係から人と人との関係へと視野を広げていきます。
 たとえば現代日本の外食産業について考察することは、現代日本の家族の「かたち」を可視化する契機にもなるでしょう。そしてそこから家族というコミュニティが、ときに経済を介して、必ずしも人間に幸福をもたらさない「かたち」――「放食」「崩食」「拒食」など――へと導かれることがあることも事実なのです。もちろんこれらは本授業が扱うテーマの一例にすぎません。おもてなし、ホスピタリティ、サービスといった人間の関係性を前提とするテーマについても考察することになるでしょう。時代、地域、経済、技術等の観点を視野に入れながら、「生きること」の問題へとつながる幅広い領野を、受講者の関心に応じて検討していく予定です。
授業の到達目標
 教員による授業と学生による口頭発表を基にディスカッションをおこない、食文化への知識を獲得し、食を介したコミュニケーションの問題へと議論を深めることが到達目標となります。
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授業計画
[第 1回] イントロダクション
[第 2回] 導入――食文化研究の基礎理論
[第 3回] 調理に関するケーススタディ
[第 4回] グループワーク
[第 5回] グループ発表(ないし個人発表)(1)
[第 6回] グループ発表(2)
[第 7回] グループ発表(3)
[第 8回] グループ発表(4)
[第 9回] グループ発表(5)
[第10回] グループ発表(6)
[第11回] グループ発表(7)
[第12回] グループ発表(8)
[第13回] グループ発表(9)
[第14回] グループ発表(10)
[第15回] 総括

参考文献
土井善晴『ごちそうのかたち』(テレビ朝日コンテンツビジネスセンター、2010年)


祈りのメンタリティ
(山本恵子/篠原菊紀/長屋房夫/松本知己/林山まゆり)

文化構想学部 春学期                  

副題:祈りの諸相―宗教と脳との対話―
授業概要

 さまざまな宗教において「祈り」ないしはそれに類する行為は、重要なものとして位置づけられています。本講義においては、キリスト教ならびに仏教の諸教派・諸宗派における祈りの諸位相を具体的に分析します。
 さらにそのうえで、宗教的な祈りは人間の脳の活動においてどのようなあり方を示しているのかを科学的な観点から考察しつつ、現実の私たちの生活における祈りの意味を新たな観点から検討します。

授業の到達目標

 祈りの諸相を宗教と科学の両面から検討する。
山本担当回
第1回・第2回・主担当教員


 

感性と死の問題への導入(酒井紀幸/山本恵子)

オープン教育センター 春学期              

副題:文化における死の表象

授業概要
 死は人間を不可避的に規定します。しかしまた死を規定するのも人間です。何が死であり、死はいかなるものであるか、と。「死」が訪れることのない私たちの人生を想像してみてください。その場合の毎日とはどんなものでしょうか。「今」の意味とは、おそらくは「死」を想うこと(メメント・モリ)から始まるのかもしれません。

 本授業では、「死」のさまざまな様相の分析を目的とします。具体的には、日常性のコンテクスト、内面的なそれ、宗教的、芸術的、社会的、政治的、経済的なコンテクストといった観点から多面的に考察していきます。死は崇高であると同時に、きわめて現実的なものであることに気づくでしょう。

 いずれにせよ、死のイメージから始まって、死にかかわる現実を検討しつつ、死の根本構造を解き明かすことが重要な課題となります。
授業の到達目標
1)様々な文化における死のイメージの差異をその宗教、文化、社会、経済的要因から解き明かすことができるようになる。
2)死に対する明快な見解を、論理的かつ説得力を持って表明することができるようになる。
3)人間をはじめとする生き物の死についての議論を通じて、様々な世代、社会層、異文化への理解を深める。
4)この種のテーマに関するプレゼンテーション能力の向上を目指す。


ボディイメージ
(酒井紀幸/青木律/かづきれいこ/山本恵子)

オープン教育センター 秋学期

副題:身体と心の美しさ
講義概要
 現代においては、美しくなければ、整っていなければ人間ではないかのごとく、さまざまなメディアから美しさに関する情報が浴びせかけられています。しかしながら「美しい」とか「整っている」とは、いったいどういうことなのでしょうか。この古くて新しい問いを医学、リハビリメイク、哲学・美学などの観点から総合的に検討してゆきます。
 授業の内容は具他的なものとなりますが、しばしば専門的になることもあります。とはいえ専門知識に関してはその都度できるだけわかりやすく解説していきます。
 受講者の皆さんは、できる限り自分でこの問題を考え、かつ現実の生活にフィードバックすることを心がけてください。
授業の到達目標
1)身体というもののもつ美しさを複合的な観点から理解し、現実の社会においてその理解を具体的に深めることできるようになること。
2)様々な領域の知と実践が、いかに深く連関しているかを自ら発見することができるようになること。

山本担当回
第4回・第6回・第13回・第15回・主担当教員


感性コミュニケーション
(山本恵子/かづきれいこ)※代講(5月から)

オープン教育センター 春学期

副題:「リハビリメイク」を通じた心と体の発見

感性への問いの射程
(岩田圭一/平山敬二/清水哲朗/山本恵子)

オープン教育センター 春学期

講義概要
 今日さまざまな形で「感性」という言葉が用いられ、論じられています。芸術のみならず教育、産業、政治等々においても。一方では感性の喪失が叫ばれ、他方ではよいことのすべてが感性に帰せられています。しかし感性とはいったい何なのでしょうか。芸術に対する理解力?社交性?倫理性?感覚の鋭さ?むしろ日本語で「感性」という場合にはもっと幅広い意味が隠されているようです。もしかすると生きるためにもっとも重要な隠れた力なのかもしれません。なるほどそれは美を発見する技であると同時に、美しく生きる技であるかもしれません。
 この授業では、感性についての歴史的な基礎知識を概観するとともに、感性への問いの射程を見極めるべく、毎回さまざまな角度から感性について考えてゆきたいと思います。もちろん芸術についても。しかし例えば社会の様々な規範と感性、法律と感性、住まいと感性、教育と感性、食と感性、コンピュータと感性といった観点からも「感性」という言葉の広がりと内実、そしてそこからわれわれが何を求めているのかを考えます。そのために時に応じていろいろな領域の方々をお招きして、その方たちにとっての「感性」を論じていただき、それについて皆さんとディスカッションを行おうと考えています。
授業の到達目標
1)感性という概念の持つ広がりと、社会的機能を理解する。2)感性に関わる事象を複合的な視点から捉え、理解する。3)感性的領域について、そこから得た知識を応用する能力を養成する。
山本担当回
第1回・第9回・第11回〜第14回

 

感性への問いの現在
(山本恵子/志岐幸子/森利枝)

オープン教育センター 秋学期

講義概要
 
今日さまざまな形で「感性」という言葉が用いられ、論じられています。芸術のみならず教育、産業、政治等々においても。一方では感性の喪失が叫ばれ、他方ではよいことのすべてが感性に帰せられています。しかし感性とはいったい何なのでしょうか。芸術に対する理解力?社交性?倫理性?感覚の鋭さ?むしろ日本語で「感性」という場合にはもっと幅広い意味が隠されているようです。
 この授業では、現代における感性への問いの「問われ方」を見極めるべく、毎回さまざまな角度から感性について考えてゆきたいと思います。前期科目「感性への問いの射程」とは多少異なる観点から感性を考えてゆく予定です。できる限り「現場」にスポットを当ててみましょう。音楽、スポーツ、料理、宗教からサブカルチャーなどへの考察も視野に入ってきます。比較文化ないしは異文化コミュニケーション的な観点からもあわせて考えていきます。「感性」と聞いて、英語ではどんな語を思い浮かべますか?この答えをこの授業のなかで探してみてください。本授業の進め方も前期の「感性への問いの射程」同様、時に応じていろいろな領域の方々をお招きして、その方たちにとっての「感性」を論じていただき、それについて皆さんとディスカッションを行おうと考えています。
授業の到達目標
1)感性という概念の持つ広がりと、社会的機能を理解する。2)感性に関わる事象を複合的な視点から捉え、理解する。3)感性的領域について、そこから得た知識を応用する能力を養成する。
山本担当回
第1回・第9回・第11回〜第14回・主担当教員

 


授業(上智大学・2013年度)


現代哲学II/CONTEMPORARY PHILOSOPHY 2                   
(長町裕司)

文学部哲学科 春学期                  

科目サブタイトル:近代後期から20世紀ドイツにおける解釈学的哲学・哲学的解釈学の生成と展開  
授業の概要

 今年度は、〈19世紀から20世紀におけるドイツでの解釈学的哲学の生成と展開〉をテーマとする。解釈学(Hermeneutik)は、西洋の古代より聖書解釈と法解釈における解釈の技術として発展したが、このような補助学科としての〈解釈の技術〉という身分を超えて、17 / 18世紀以降に文献解釈一般の問題領域へと拡大されてゆく。更に19世紀にドイツ人文主義興隆の潮流の中、諸芸術を含むテキスト解釈における理解の理論として普遍化する解釈学の哲学的基底を、F. シュライエルマッハーや F. アスト等の〈ロマン主義的解釈学〉の系譜と W. ディルタイの精神諸科学の基礎づけという課題の下での〈理解の理論〉の練り上げという様相において歴史的に捉え直す。20世紀には、現象学運動と密接に関連した問題状況を通して、先ず前期ハイデガーの下で〈事実的生の解釈学〉から、われわれで在るところの現存在の存在論的体制を通しての理解の実存的遂行として「解釈学的ロゴス」が現象学の営みに構成的に属することが明るみにもたらされる。ハイデガーから決定的影響を受けたガダマー(そして、フランスの P. リクール)は、「解釈学の普遍性」の主張と共に哲学そのものの言語性に依拠する哲学的解釈学の基礎づけを敷衍してゆく。 ― この授業では、このように19世紀から20世紀のドイツ哲学において大きく展開する解釈学を展望できるようにしたい。
担当回
8.生の哲学の興隆と解釈学 (B) : ニーチェの哲学における解釈学的契機(T)(早稲田大学 非常勤講師 山本 恵子)
9.生の哲学の興隆と解釈学 (B) : ニーチェの哲学における解釈学的契機(U)(早稲田大学 非常勤講師 山本 恵子)
10.生の哲学の興隆と解釈学 (B) : ニーチェの哲学における解釈学的契機(V)(早稲田大学 非常勤講師 山本 恵子)

 

 

 

 

 

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