授業トップに戻る

 


授業(早稲田大学・2012年度)

 


担当科目

生活環境美学(山本恵子)

文構・文・一文・二文_合併 春学期

授業概要 
 本講義においては「美しさ」という言葉の広がりをわたしたちの生活環境の場面のうちで考えてゆきます。
 「美しさ」は、一般的に、芸術に特権的に帰せられます。しかしながら、そのような美の既成観念は、じつは美の広がりのごく一部ないしは特定の時代の一局面でしかないといえます。この作品(モノ)は美しい、といった既成観念を捨ててください。
 むしろ美の広がりは、わたしたちを取り巻く世界、わたしたちの身体、そして私たち自身につねにかかわるものであるといえるでしょう。わたしたちの習慣化されたしぐさの継承、モノやお金やことばによるコミュニケーションのたえざる流れ、可視・不可視を問わず張り巡らされたネットワーク、制度とそれを超えでる力との葛藤――これらは美の基盤であり、同時に美的対象でありえます。もちろんこれが、文化の本質でもあります。そして「美しいもの」は、モノとして美しいのではなく、絶えず動いてゆくわたしたちの生活環境の中ではじめて美しくもなり、醜くもなるのです。
 こういった観点を前提としつつ、個人のマナーから身体、衣食住、芸術、宗教、果ては国家の美までを、射程とします。

授業の到達目標
 本講義では身近な生活環境を、自己と自己の文化を知るために開かれたひとつのトポスとしてとらえることが要求されます。そのために、
(1)日常のさまざまな美的情報・感性情報に敏感であること (2)そこに社会問題、倫理的問題、宗教的問題などとの連関を見出すこと (3)見出された問題を学問的方法論を用いて考察・批判すること
をつうじて問題認識力と思考力を高め、生活における美の価値について理解することが目標です。

-----------------------------------------------
授業計画
[第 1回] 「生活環境美学」とは何か
[第 2回]「生活環境美学」の系譜
[第 3回] 消費における〈無感性化〉
[第 4回] 商品化される自然
[第 5回] 食と日本の現在
[第 6回] 日常とアートとの間
[第 7回] 美は実用的なものか?
[第 8回] 陶酔する日常と非日常(1)ギリシア劇場における陶酔
[第 9回] 陶酔する日常と非日常(2)コンサートとショッピングモール
[第10回] 陶酔する日常と非日常(3)陶酔とカリスマ
[第11回]〈日本的感性〉について考える(1)滅びの美学「パトラッシュ」
[第12回]〈日本的感性〉について考える(2)滅びの美学「高貴なる敗北」
[第13回]〈日本的感性〉について考える(3)「カワイイ」批判:リチーと村上隆
[第14回]住環境をめぐる趣味論
[第15回]アーツ・アンド・クラフツ運動とマルクス主義/まとめ――美しく生きる――

教科書
酒井紀幸・山本恵子『新版 美/学』(大学教育出版、2009年)
参考文献
山本正男『生活美学への道』(勁草書房、1997年)
山本恵子『ニーチェと生理学』(大学教育出版、2008年)
他、随時教場にて指示します。

 

美学2(山本恵子)

文構・文・一文・二文_合併 秋学期

副題:美は普遍的なものか?

授業概要
 世界に、〈誰が見ても美しい絵画〉は存在するのでしょうか? また、〈誰が聞いても美しい音楽〉は存在するでしょうか? 芸術に関する美的判断においては、こうした普遍性が求められ、美しいものの法則性やパターンについて古来より研究されています。しかし実際には美的判断において、個人差・世代差・地域差などによる違いが生じることも少なくありません。美学という学問は、こうした意味での美の不確定性に常に晒され続けてきた、といえます。本授業ではこのことを前提として、美の感受や芸術理解の普遍性に関する多様な美学的テーマについて論じます。
 具体的には、社会階級の差異と芸術嗜好の関係といったテーマのほか、何が芸術の価値を決定するのか?という問いに基づいた諸テーマを論じます。(詳細は、オンラインシラバスの授業計画を参照してください。)また、各回の授業ごとに質問や見解を書いたレヴューシートを提出していただくことで、なるべく対話形式に近い授業形態を模索したいと考えています。

授業の到達目標
 美学の基本概念を習得し、「美」「趣味」「芸術」をめぐる根本問題の概要を理解することにより、美学を研究するための礎となる力を身につけることを到達目標とします。
-----------------------------------------------
授業計画
第 1回] 導入(1)――感性を言葉にすること
[第 2回] 導入(2)――美学史概観
[第 3回] 美の根拠(1) 「美しい人」
[第 4回] 美の根拠(2) 美の倫理
[第 5回] 美の根拠(3) 「天才」
[第 6回] 美の根拠(4) ものが美しく見えるということ(カント/ニーチェ)
[第 7回] 趣味論(1) よい「趣味」とは何か(カント/ヒューム)
[第 8回] 趣味論(2) 「大衆の趣味」論(グリーンバーグ/ブルデュー/現代日本)
[第 9回] 「流行」と「伝統」をめぐる芸術の哲学(ニーチェ)
[第10回] 芸術の制度(1) 「アートワールド」(ディッキー/ダントー/村上隆)
[第11回] 芸術の制度(2) アートを語る力
[第12回] 芸術の制度(3) アートワールドの「外」で
[第13回] 芸術の制度(4) 芸術文化政策とナショナル・アイデンティティ(1)
[第14回] 芸術の制度(5) 芸術文化政策とナショナル・アイデンティティ(2)
[第15回] まとめ

教科書
酒井紀幸・山本恵子『新版 美/学』(大学教育出版、2009年)
参考文献
教場にて指示します。

複合文化論系演習 感性哲学1(美と芸術の感性研究)
(山本恵子)

文化構想学部 春学期

授業概要
 芸術の本質が創造性にあるとすれば、その本質ゆえに、芸術の定義(「芸術とは-である」)は常に更新され続けなければならない運命にあります。なぜなら、既存の芸術を超えて新たな芸術が生み出されるときには、同時にそれに合う芸術の定義が新たに必要とされるからです。本演習は芸術作品を理解する基盤となるこの〈芸術の定義〉を問題にします。とくにデュシャン以降の現代アートをめぐる状況において一層複雑化する〈芸術の定義〉の可能性を探ることを目的とします。
 授業の前半では、有益な議論を実現するために必要な基礎知識を蓄積するべく、20世紀後半のさまざまな芸術理論について論じられているテクスト(シンシア・フリーランドの著書『でも、これがアートなの?――芸術理論入門――』)を用いて授業を進めたいと考えています。この書は、古代・中世・近代・現代の基本的な芸術理論に加えて、ジョン・デューイ、ジャン・ボードリヤール、クレメント・グリーンバーグ、アーサー・ダントー、ジョージ・ディッキーら、20世紀の思想家・批評家たちの諸理論にも言及しています。
 授業の中盤・後半では、現代アートの諸相の中から各自の関心に基づくテーマを自由に設定し、プレゼンテーションをおこなうこととします。
 演習形式の授業ですから、現代アートを鑑賞する際の解釈の仕方や疑問について、受講者のみなさんが率直に意見を交換できる場にしたいと思います。
授業の到達目標
 現代アートに関する知識を習得し、その知識を活かしたプレゼンテーションとディスカッションを行う中で、アートと社会の関係、アートと生の関係を理解することが到達目標です。

-----------------------------------------------
授業計画
[第 1回] イントロダクション:「おぞましいもの」のアート
[第 2回] 「コンセプチュアル・アート」
[第 3回] 「落書き」のアート
[第 4回] 現代アートの諸相
[第 5回] プレゼンテーション(1)
[第 6回] プレゼンテーション(2)
[第 7回] プレゼンテーション(3)
[第 8回] プレゼンテーション(4)
[第 9回] プレゼンテーション(5)
[第10回] プレゼンテーション(6)
[第11回] プレゼンテーション(7)
[第12回] プレゼンテーション(8)
[第13回] プレゼンテーション(9)
[第14回] プレゼンテーション(10)
[第15回] 総括

教科書
シンシア・フリーランド『でも、これがアートなの?――芸術理論入門――』(藤原えりみ訳、ブリュッケ、2007年)
参考文献
酒井紀幸・山本恵子『新版 美/学』(大学教育出版、2009年)

 

 

芸術論(山本恵子)

文構・文・一文・二文_合併 秋学期

副題:コミュニケーション・メディアとしての現代アート
授業概要
 本講義では、現代アートの社会的機能を理解することを目的に、さまざまな芸術作品を題材として取り上げ、その形式と意味について論じます。
 芸術の意味をめぐっては、社会のコンテクストを離れて、「芸術のための芸術(l'art pour l'art)」という一つの自律的領域を形成することが至上命題とされた時代もあります。しかし芸術は、他のあらゆる活動と同様に、社会の内部で営まれる活動であり、古代より各時代・地域の状況に惹起され、多様な社会的機能を負ってきたのです。例えば芸術はときに社会の理想を表現し、社会を纏める媒体となります。逆に社会を批判し、社会の方向性を問う媒体となることもあります。そしてそうしたことが可能なのは、芸術が、本来的に異なるバックグラウンドを持つ人間同士の間で、各々の立場を止揚してコミュニケーションをとるための触媒となりうるからです。それゆえ本講義では、国家、民族、宗教、政治、世代、性、家庭等のギャップに根ざし深刻化している社会問題と現代アートとが繋属されて生まれる有機的トポスをめぐって、芸術の存在意義を論じることになるでしょう。
 具体的には、20世紀後半以降の現代アートの潮流を中心に論じますが、単に現代アート史として概観するのではなく、芸術によってさまざまな不和や齟齬を飛び越えて人と人とがつながれ、芸術がことばを超えた〈ことば〉となる瞬間を感受する場にしたいと考えています。
授業の到達目標
 現代アートの諸作品についてその時代状況や技法に関する知識を身につけるとともに、その社会的機能について理解を深めることが本講義の到達目標です。
-----------------------------------------------
授業計画
[第 1回] 導入(1)
[第 2回] 導入(2)
[第 3回] 問い:アートは社会を変えられるか?
[第 4回] アートの公共性
[第 5回] アーティスト:ヨーゼフ・ボイス(1)
[第 6回] 芸術の社会化――「障害者アート」への取り組み
[第 7回] アーティスト:ヨーゼフ・ボイス(2)
[第 8回] アーティスト:ハンス・ハーケ
[第 9回] アーティスト:アイ・ウェイウェイ
[第10回] ANPO
[第11回] ジェンダーの美学
[第12回] 自己/コミュニケーション(草間彌生)
[第13回] 生と死のコミュニケーション
[第14回] 文学と音楽(サルトル:アンガジュマンの文学 他)
[第15回] 震災とアート――“紐帯”としての芸術

教科書
指定なし
参考文献
教場にて指示します。

 

担当科目(複数教員担当科目)

複合文化論系演習 感性哲学3(産業・技術・地域社会にかかわる感性研究)(土井善晴/山本恵子)

文化構想学部 春学期

副題: 食文化・食産業の感性研究

授業概要
 本演習では、食文化(Food Culture)・食産業(Food Industry)に関するさまざまな事例を取り上げながら、人と物との関係から人と人との関係へと視野を広げていきます。
 たとえば現代日本の外食産業について考察することは、現代日本の家族の「かたち」を可視化する契機にもなるでしょう。そしてそこから家族というコミュニティが、ときに経済を介して、必ずしも人間に幸福をもたらさない「かたち」――「放食」「崩食」「拒食」など――へと導かれることがあることも事実なのです。もちろんこれらは本授業が扱うテーマの一例にすぎません。おもてなし、ホスピタリティ、サービスといった人間の関係性を前提とするテーマについても考察することになるでしょう。時代、地域、経済、技術等の観点を視野に入れながら、「生きること」の問題へとつながる幅広い領野を、受講者の関心に応じて検討していく予定です。
授業の到達目標
 教員による授業と学生による口頭発表を基にディスカッションをおこない、食文化への知識を獲得し、食を介したコミュニケーションの問題へと議論を深めることが到達目標となります。
-----------------------------------------------
授業計画
[第 1回] イントロダクション
[第 2回] 導入――食文化研究の基礎理論
[第 3回] 調理に関するケーススタディ
[第 4回] グループワーク
[第 5回] グループ発表(ないし個人発表)(1)
[第 6回] グループ発表(2)
[第 7回] グループ発表(3)
[第 8回] グループ発表(4)
[第 9回] グループ発表(5)
[第10回] グループ発表(6)
[第11回] グループ発表(7)
[第12回] グループ発表(8)
[第13回] グループ発表(9)
[第14回] グループ発表(10)
[第15回] 総括

参考文献
土井善晴『ごちそうのかたち』(テレビ朝日コンテンツビジネスセンター、2010年)


感性と文化
(酒井紀幸/大久保良峻/山西優二/山本恵子)

オープン教育センター 春学期(日本)・夏季(ドイツ・トリア大学)

副題:メンタリティと制度
授業概要
 現代において自分たちの文化を論じるということは、単に自分たちの属する1つの国、1つの文化のうちにとどまったままで可能となるものではありません。実際自分たちの文化のみを自分たちの言葉で、自分たちだけが理解できる論理で理解するという考え方が、その文化の本当の姿を覆い隠してしまうことになる場合がしばしばあります。そしてこのことが時として、他の文化との摩擦を生み出す原因ともなっているわけです。
 この授業は、ドイツの中でもルクセンブルクやフランス国境近くに位置するトリア大学の協力の下、実際にドイツに赴き、ドイツの大学で、ドイツ人を始めとするさまざまな外国人(教員および学生)とともに日本の文化、制度とメンタリティーについて学び、考え、議論しようとするものです。たくさんの国々に接したヨーロッパの町から、日本の文化について考えることは、日本にいてそれについて考える場合とは少しばかり意味が違ってくるかもしれません。
 わたしたちは自分たちにとって当たり前と思われることを何1つ疑うことなく正しいことと思い込んでしまっているかもしれません。でもそれはもしかすると、非常識なことなのかもしれない、と。ここから出発しましょう。そして最終的には、日本の文化を起点として他の文化の深層を理解してみようと考えています。わたしたちは、何を見、そして何を見ようとしないのか。そして他の文化圏の人々は…。
 
(滞在期間) 2012年8月3日より8月31日の間の2から3週間程度を予定。
 (対象および要件)
 1)授業は日本語ないしは英語で行われますので、現時点でのドイツ語の能力は問いません。また多少のドイツ語を行く前に勉強したい方には、サブゼミを提供する予定です。また現地にてドイツ語の授業(月から木までの午前中)を受講することが望ましいでしょう。
 2)授業内容はさまざまな分野にまたがりますので、特に専門は問いません。異文化コミュニケーション、日本、東洋、ドイツ、ヨーロッパに関心を持つ人はもちろんですが、文化に関するさまざまな領域に関心を持つ人、さらには法律、経済等のこれから国際的な感覚が必要とされる分野に関心を持つ人などを対象とします。もちろんこれから長期留学や外国でのインターンシップなどを考えている人にも有意義でしょう。2011年度秋学期から留学を考えている方は、ご相談ください。
 (費用)  基本的には学生寮(個室)に宿泊するための費用(月から木は朝食つき)と授業の一環として見学等を行なう場合の参加費、さらに2-3週間程度のドイツ語講習の費用を含めて23万円程度(為替レートによって差異が生じる場合があり)です。このほかに航空運賃が必要となります。8月の運賃の高い時期になりますが、前年度の相場からすると15万円から23万円前後(経路および航空会社によって異なる)でドイツまでの往復航空券は購入できます。昨年度の実際の金額はおよそ13万円でした。詳細については4月に参加者の意見を聞きながら決めてゆく予定です。  なお昨年は、まずチャーターバスでトリアにはいりました。トリア滞在中は、ケルン、ストラスブール、ルクセンブルク、ハイデルベルク訪問などの小旅行、数回の食事会などが催されました。その後、ミュンヘン、ニュルンベルク、ウィーン、アウシュヴィッツ、クラクフ、プラハ、ベルリンを訪問しました。これらの費用(ホテル代・チャーターバス代・鉄道運賃を含めて)と寮費および語学研修費で総額はおよそ36万円でした。今年度に関しては、現在の為替相場を基準に計算すると、金額は予想し難いのですが、35万円から37万円の間と考えております。(場合によっては、オプションの小旅行を行う場合もあります。一昨年はパリへ行きました。)

授業の到達目標
1)EU諸国の歴史を学び、実際に訪問することで、様々な言語と文化が隣り合う文化構造への理解を深める。
2)日本語、英語、ドイツ語、フランス語等の諸言語を自らの語学の学習経験に応じて用いることによって、シチュエーションに応じた言語選択とその使用の基礎力を養う。(但し、これらの言語はけっして必須要件ではない。)
3)様々な国の人々とのコミュニケーション能力の向上。
4)共同生活と共同作業を通じて、マネージメント能力の向上を図る。
5)プレゼンテーション能力の向上を目指す。

 

感性と死の問題への導入(酒井紀幸/山本恵子)

オープン教育センター 春学期              

副題:文化における死の表象

授業概要
 死は人間を不可避的に規定します。しかしまた死を規定するのも人間です。何が死であり、死はいかなるものであるか、と。「死」が訪れることのない私たちの人生を想像してみてください。その場合の毎日とはどんなものでしょうか。「今」の意味とは、おそらくは「死」を想うこと(メメント・モリ)から始まるのかもしれません。

 本授業では、「死」のさまざまな様相の分析を目的とします。具体的には、日常性のコンテクスト、内面的なそれ、宗教的、芸術的、社会的、政治的、経済的なコンテクストといった観点から多面的に考察していきます。死は崇高であると同時に、きわめて現実的なものであることに気づくでしょう。

 いずれにせよ、死のイメージから始まって、死にかかわる現実を検討しつつ、死の根本構造を解き明かすことが重要な課題となります。
授業の到達目標
1)様々な文化における死のイメージの差異をその宗教、文化、社会、経済的要因から解き明かすことができるようになる。
2)死に対する明快な見解を、論理的かつ説得力を持って表明することができるようになる。
3)人間をはじめとする生き物の死についての議論を通じて、様々な世代、社会層、異文化への理解を深める。
4)この種のテーマに関するプレゼンテーション能力の向上を目指す。


美意識の比較研究
(酒井紀幸/大久保良峻/陣野英則/山本恵子)

オープン教育センター 秋学期

授業概要
 
美意識の相違はどこからくるのであろうか。この古くて新しい問題を各領域の教員が問いかけることによって、社会、文化、産業、技術、集団、個人などが今日において抱える問題の諸相を解き明かすことが、本講義の課題です。とりわけ欧米と日本が、主たるフィールドとなるでしょう。そのさい伝統と美という「魔術的な」タームに隠されている構造もまた明らかにすることになります。
授業の到達目標
1)文化をそれに固有のコンテクストにおいて的確に理解する基礎能力を身につける。
2)文化の相互関係性という観点から、異文化理解の可能性とその限界を具体的に把握する。

山本担当回

・.美か?わいせつか?(ダントーのメイプルソープ論)
・アヴァンギャルドと
キッチュ

他、ゲストスピーカーのコーディネーター


ボディイメージ
(酒井紀幸/青木律/かづきれいこ/山本恵子)

オープン教育センター 秋学期

副題:身体と心の美しさ
講義概要
 現代においては、美しくなければ、整っていなければ人間ではないかのごとく、さまざまなメディアから美しさに関する情報が浴びせかけられています。しかしながら「美しい」とか「整っている」とは、いったいどういうことなのでしょうか。この古くて新しい問いを医学、リハビリメイク、哲学・美学などの観点から総合的に検討してゆきます。
 授業の内容は具他的なものとなりますが、しばしば専門的になることもあります。とはいえ専門知識に関してはその都度できるだけわかりやすく解説していきます。
 受講者の皆さんは、できる限り自分でこの問題を考え、かつ現実の生活にフィードバックすることを心がけてください。
授業の到達目標
1)身体というもののもつ美しさを複合的な観点から理解し、現実の社会においてその理解を具体的に深めることできるようになること。
2)様々な領域の知と実践が、いかに深く連関しているかを自ら発見することができるようになること。

山本担当回
第2回・第11回・第13回・第15回
他、ゲストスピーカーのコーディネーター


祈りのメンタリティ                   (酒井紀幸/篠原菊紀/田戸大智/長屋房夫/林山まゆり/山本恵子)

文化構想学部 春学期                  

副題:祈りの諸相―宗教と脳との対話―
授業概要

 さまざまな宗教において「祈り」ないしはそれに類する行為は、重要なものとして位置づけられています。本講義においては、キリスト教ならびに仏教の諸教派・諸宗派における祈りの諸位相を具体的に分析します。
 さらにそのうえで、宗教的な祈りは人間の脳の活動においてどのようなあり方を示しているのかを科学的な観点から考察しつつ、現実の私たちの生活における祈りの意味を新たな観点から検討します。

授業の到達目標

 祈りの諸相を宗教と科学の両面から検討する。
山本担当回
祈りの哲学的考察――戦争と祈り――


感性への問いの射程
(酒井紀幸/桜井洋/清水哲朗/平山敬二/山本恵子)

オープン教育センター 春学期

講義概要
 今日さまざまな形で「感性」という言葉が用いられ、論じられています。芸術のみならず教育、産業、政治等々においても。一方では感性の喪失が叫ばれ、他方ではよいことのすべてが感性に帰せられています。しかし感性とはいったい何なのでしょうか。芸術に対する理解力?社交性?倫理性?感覚の鋭さ?むしろ日本語で「感性」という場合にはもっと幅広い意味が隠されているようです。もしかすると生きるためにもっとも重要な隠れた力なのかもしれません。なるほどそれは美を発見する技であると同時に、美しく生きる技であるかもしれません。
 この授業では、感性についての歴史的な基礎知識を概観するとともに、感性への問いの射程を見極めるべく、毎回さまざまな角度から感性について考えてゆきたいと思います。もちろん芸術についても。しかし例えば社会の様々な規範と感性、法律と感性、住まいと感性、教育と感性、食と感性、コンピュータと感性といった観点からも「感性」という言葉の広がりと内実、そしてそこからわれわれが何を求めているのかを考えます。そのために時に応じていろいろな領域の方々をお招きして、その方たちにとっての「感性」を論じていただき、それについて皆さんとディスカッションを行おうと考えています。
授業の到達目標
1)感性という概念の持つ広がりと、社会的機能を理解する。2)感性に関わる事象を複合的な視点から捉え、理解する。3)感性的領域について、そこから得た知識を応用する能力を養成する。
山本担当回
第12回〜第15回

 

感性への問いの現在
(酒井紀幸/桜井洋/志岐幸子/森利枝/山本恵子)

オープン教育センター 秋学期

講義概要
 
今日さまざまな形で「感性」という言葉が用いられ、論じられています。芸術のみならず教育、産業、政治等々においても。一方では感性の喪失が叫ばれ、他方ではよいことのすべてが感性に帰せられています。しかし感性とはいったい何なのでしょうか。芸術に対する理解力?社交性?倫理性?感覚の鋭さ?むしろ日本語で「感性」という場合にはもっと幅広い意味が隠されているようです。
 この授業では、現代における感性への問いの「問われ方」を見極めるべく、毎回さまざまな角度から感性について考えてゆきたいと思います。前期科目「感性への問いの射程」とは多少異なる観点から感性を考えてゆく予定です。できる限り「現場」にスポットを当ててみましょう。音楽、スポーツ、料理、宗教からサブカルチャーなどへの考察も視野に入ってきます。比較文化ないしは異文化コミュニケーション的な観点からもあわせて考えていきます。「感性」と聞いて、英語ではどんな語を思い浮かべますか?この答えをこの授業のなかで探してみてください。本授業の進め方も前期の「感性への問いの射程」同様、時に応じていろいろな領域の方々をお招きして、その方たちにとっての「感性」を論じていただき、それについて皆さんとディスカッションを行おうと考えています。
授業の到達目標
1)感性という概念の持つ広がりと、社会的機能を理解する。2)感性に関わる事象を複合的な視点から捉え、理解する。3)感性的領域について、そこから得た知識を応用する能力を養成する。
山本担当回
1.第2回・第11回・第12回・第14回

 

その他(ゲストスピーカーとして):「文化の哲学」(ニーチェの「文化」批判を読む)

 

 

 

 

 

Copyright(c)2010-Keikoyamamoto.com