授業概要
死は人間を上可避的に規定します。しかしまた死を規定するのも人間です。何が死であり、死はいかなるものであるか、と。「死」が訪れることのない私たちの人生を想像してみてください。その場合の毎日とはどんなものでしょうか。「今」の意味とは、おそらくは「死」を想うこと(メメント・モリ)から始まるのかもしれません。
本授業では、「死」のさまざまな様相の分析を目的とします。具体的には、日常性のコンテクスト、内面的なそれ、宗教的、芸術的、社会的、政治的、経済的なコンテクストといった観点から多面的に考察していきます。死は崇高であると同時に、きわめて現実的なものであることに気づくでしょう。
いずれにせよ、死のイメージから始まって、死にかかわる現実を検討しつつ、死の根本構造を解き明かすことが重要な課題となります。
授業の到達目標
1)様々な文化における死のイメージの差異をその宗教、文化、社会、経済的要因から解き明かすことができるようになる。
2)死に対する明快な見解を、論理的かつ説得力を持って表明することができるようになる。
3)人間をはじめとする生き物の死についての議論を通じて、様々な世代、社会層、異文化への理解を深める。
4)この種のテーマに関するプレゼンテーション能力の向上を目指す。
|