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授業(早稲田大学・2009年度)

 


担当科目

生活環境美学(山本恵子)

文化構想学部 春学期

授業概要 
 本講義においては「美しさ」という言葉の広がりをわたしたちの生活環境の場面のうちで考えてゆきます。
「美しさ」は、一般的に、芸術に特権的に帰せられます。しかしながら、そのような美の既成観念は、じつは美の広がりのごく一部ないしは特定の時代の一局面でしかないといえます。この作品(モノ)は美しい、といった既成観念を捨ててください。
むしろ美の広がりは、わたしたちを取り巻く世界、わたしたちの身体、そして私たち自身につねにかかわるものであるといえるでしょう。わたしたちの習慣化されたしぐさの継承、モノやお金やことばによるコミュニケーションのたえざる流れ、可視・不可視を問わず張り巡らされたネットワーク、制度とそれを超えでる力との葛藤――これらは美の基盤であり、同時に美的対象でありえます。もちろんこれが、文化の本質でもあります。そして「美しいもの」は、モノとして美しいのではなく、絶えず動いてゆくわたしたちの生活環境の中ではじめて美しくもなり、醜くもなるのです。
 こういった観点を前提としつつ、個人のマナーから身体、死生観、芸術、宗教、果ては国家の美までを、射程とします。

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授業計画
1.「生活環境美学」とは何か
2.
「生活環境美学」の系譜
3.
消費における〈無感性化〉
4.
日常とアートとの間
5.
商品化される自然
6.
美は実用的なものか?
7.
9.陶酔する日常(1)(3)
10.
〈日本的感性〉について考える(1)カワイイと萌え
11.12.
〈日本的感性〉について考える(2)滅びの美学12
13.
美と国家
14.
食と日本の現在(ゲスト)
15.
まとめ

 

現代哲学の諸問題(山本恵子)

文化構想学部 秋学期

 (副題:文化的共生の倫理と哲学)
授業概要
 現代は、世界的市場の形成と情報化の中で、よい意味にせよ悪い意味にせよグローバル化・ボーダーレス化の急速な進行に直面している。とりわけ無差別テロの頻発、地球環境の破壊などの負の問題に対しては誰もが危機感を強め、国境を越えた対話と対策が急務であることを自覚している。だがこうした危機感が世界的に共有されているにもかかわらず、国家間・民族間・宗教間・文化間の対立は依然として解消される気配がない。世界的規模での破壊と世界的規模での連帯。この現実を踏まえたうえで本講義においては、複合的でありかつ根本的なディレンマを内包する社会状況における「共生」の可能性を、現代哲学が取り組まなければならない根本問題の一つとして、「文化」という観点のもとにわかりやすく具体的に検討する。
 その際に本講義が手がかりとするのは、現代哲学の主要な源泉のひとつであるニーチェ思想である。制度と自己とを徹底的に対立させることによって生のあり方を根底から問い直した後期ニーチェの見解は、今日の状況を読み解くための重要な示唆を与えてくれるであろう。またニーチェ思想のほかに、ジャン=リュック・ナンシー、エドワード・サイード、フランシス・フクヤマらの思想にも言及することで、現代哲学における他者論の広がりにも目を配る予定である。
 ちなみにこういった問題設定が、異文化理解、生活環境、比較文化を語る際の根本的視座をもたらすであろうことは言うまでもない。
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授業計画
1.イントロダクション「ニーチェを辿る旅」
2.
映画『善悪の彼岸』   3.孤独とは何か
4.
畜群とは何か  5.ヴァーグナーの場合
6.7.
優越願望と対等願望[1][2](フクヤマ)   8.ゲスト)
9.
優越願望と対等願望[3]―「世界にひとつだけの花」としての自己
10.
ニーチェ思想とナチス・ドイツ
11.
文化的共生の倫理と哲学―"価値の価値性"への問い12.「侵入者」(ジャン=リュック・ナンシー)
13.
対話の哲学 

14.ホスピタリティの思想史的コンテクスト 15.まとめ

複合文化論系演習 感性哲学1(美と芸術の感性研究)
(山本恵子)

文化構想学部 春学期

授業概要
 芸術の本質が創造性にあるとすれば、その本質ゆえに、芸術の定義(「芸術とは-である」)は常に更新され続けなければならない運命にあります。なぜなら、既存の芸術を超えて新たな芸術が生み出されるときには、同時にそれに合う芸術の定義が新たに必要とされるからです。本演習は芸術作品を理解する基盤となるこの〈芸術の定義〉を問題にします。とくにデュシャン以降の現代アートをめぐる状況において一層複雑化する〈芸術の定義〉の可能性を探ることを目的とします。
 演習形式の授業ですから、現代アートを鑑賞する際の解釈の仕方や疑問について、受講者のみなさんが率直に意見を交換できる場にしたいと思います。また有益な議論を実現するために必要な知識を蓄積するべく、20世紀後半のさまざまな芸術理論について論じられているテクストを用いて授業を進めたいと考えています。
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授業計画
 アメリカ美学会で現在も活躍しているシンシア・フリーランドの著書『でも、これがアートなの?――芸術理論入門――』をテクストとして使用します。この書は、古代・中世・近代・現代の芸術理論はもちろんのこと、ジョン・デューイ、ジャン・ボードリヤール、クレメント・グリーンバーグ、アーサー・ダントー、ジョージ・ディッキーらの20世紀の思想家ないし批評家たちの諸理論に言及しています。第1章から第7章までありますので、1章を2回の授業で終えていく形になると思います。授業担当者による説明のほか、受講者による口頭発表とディスカッションもおこなうこととします。

1.イントロダクション  2.血と美の関係をめぐって
3.
セラーノ/ゴヤにおける美と道徳の問題 4.模倣理論
5.
ブリロ・ボックス 6.庭園論 7.プリミティヴィズム
8.
美術館・博物館と大衆 9.パブリック・アート
10.
ゲリラ・ガールズ 11.天才とは
12.
フランシス・ベーコン:表出論と認識論
13.
理念の表現・感情の表現 
14.
アウラの消滅(オリジナルとコピー)
15.
ボードリヤール:ハイパーリアルとシミュレーション

 

人文演習 I
(山本まゆみ/山本恵子)

第一文学部 通年(後期担当)

(後期 山本恵子担当)
授業概要
 さまざまな時代ならびに観点における死をめぐる言説や事象を前提として、最終的には現代社会における死の問題を検討します。生命体としての死からはじまり、社会における制度的な死、文化における象徴的な死、そして〈わたし〉の死にいたるまで――死にはさまざまな局面があります。ここではまず〈わたし〉の死という倫理的・実存的な問題を手がかりに話を進めていき、さらに死の表皮的儀礼である葬儀、制度やその背景にある宗教、そして芸術作品に見られる特定の死の表象へと問題を展開してゆく予定です。なお履修者には、各自の関心からくるテーマを設定したうえで、口頭発表を行っていただき、さらにその内容をふまえたディスカッションを全員ないしはグループ単位で行っていただきます。積極的な取り組みを期待しています。

 

基礎演習10(山本恵子)

文化構想学部 通年

授業概要
 学問の世界に入るために必要なアカデミック・リテラシー(学問の方法、論文の執筆方法などの知識と技法)の養成を目的とします。具体的には、文章を読み取る力、自分の考えを発表する力(プレゼンテーション力)、議論する力、文章を書く力を身につけていきます。これらは、ゼミ論文・卒業研究、卒業論文の作成の基礎となるだけでなく、社会で活躍するのに必須の能力です。
 春学期では、文献の検索方法と資料収集方法について学ぶとともに、基礎演習データ・ベース(下記参照)にある論文の主旨の読み取りや、それに関する自分の考えをまとめての発表などを行います。これらの学習を通して、読解力・プレゼンテーション力・討論力を養います。夏休みの課題は、後期に提出する論文の草稿の執筆です。秋学期からは、本格的に論文の執筆に取りかります。この作業を通して論理的に考え、それを文章にする力を養います。本演習は、原則として通年15回授業を行います。 

 

担当科目(複数教員持ち回り科目)

感性と文化
(酒井紀幸/飯嶋一泰/大久保良峻/山西優二/山本恵子)

オープン教育センター 春学期(日本)・夏季(ドイツ・トリア大学)

(副題:メンタリティと制度)
授業概要
 現代において自分たちの文化を論じるということは、単に自分たちの属する1つの国、1つの文化のうちにとどまったままで可能となるものではありません。実際自分たちの文化のみを自分たちの言葉で、自分たちだけが理解できる論理で理解するという考え方が、その文化の本当の姿を覆い隠してしまうことになる場合がしばしばあります。そしてこのことが時として、他の文化との摩擦を生み出す原因ともなっているわけです。
 この授業は、ドイツの中でもルクセンブルクやフランス国境近くに位置するトリア大学の協力の下、実際にドイツに赴き、ドイツの大学で、ドイツ人を始めとするさまざまな外国人(教員および学生)とともに日本の文化、制度とメンタリティーについて学び、考え、議論しようとするものです。たくさんの国々に接したヨーロッパの町から、日本の文化について考えることは、日本にいてそれについて考える場合とは少しばかり意味が違ってくるかもしれません。
 わたしたちは自分たちにとって当たり前と思われることを何1つ疑うことなく正しいことと思い込んでしまっているかもしれない。でもそれはもしかすると、非常識なことなのかもしれない。ここから出発しましょう。そして最終的には、日本の文化を起点として他の文化の深層を理解してみようと考えています。わたしたちは、何を見、そして何を見ようとしないのか。そして他の文化圏の人々は…。

 

美意識の比較研究
(酒井紀幸/大久保良峻/桜井洋/陣野英則/山本恵子)

オープン教育センター 秋学期

授業概要
 
美意識の相違はどこからくるのであろうか。この古くて新しい問題を各領域の教員が問いかけることによって、社会、文化、産業、技術、集団、個人などが今日において抱える問題の諸相を解き明かすことが、本講義の課題です。とりわけ欧米と日本が、主たるフィールドとなるでしょう。そのさい伝統と美という「魔術的な」タームに隠されている構造もまた明らかにすることになります。
 
山本担当回
6.美か?わいせつか?(ダントーのメイプルソープ論)
10.
キッチュ  
3.7.11.13.14.ゲストスピーカーのコーディネータ)

感性への問いの射程
(酒井紀幸/桜井洋/平山敬二/山本恵子)

オープン教育センター 春学期

授業概要
 今日さまざまな形で「感性」という言葉が用いられ、論じられています。芸術のみならず教育、産業、政治等々においても。一方では感性の喪失が叫ばれ、他方ではよいことのすべてが感性に帰せられています。しかし感性とはいったい何なのでしょうか。芸術に対する理解力?社交性?倫理性?感覚の鋭さ?むしろ日本語で「感性」という場合にはもっと幅広い意味が隠されているようです。もしかすると生きるためにもっとも重要な隠れた力なのかもしれません。なるほどそれは美を発見する技であると同時に、美しく生きる技であるかもしれません。
 この授業では、感性についての歴史的な基礎知識を概観するとともに、感性への問いの射程を見極めるべく、毎回さまざまな角度から感性について考えてゆきたいと思います。もちろん芸術についても。しかし例えば社会の様々な規範と感性、法律と感性、住まいと感性、教育と感性、食と感性、コンピュータと感性といった観点からも「感性」という言葉の広がりと内実、そしてそこからわれわれが何を求めているのかを考えます。そのために時に応じていろいろな領域の方々をお招きして、その方たちにとっての「感性」を論じていただき、それについて皆さんとディスカッションを行おうと考えています。
山本担当回
6.「感性」の概念史と感性価値創造の現在
13.
感性価値創造の現在2
10.ゲストスピーカーのコーディネーター)

 

感性への問いの現在
(酒井紀幸/桜井洋/志岐幸子/森利枝/山本恵子)

オープン教育センター 秋学期

授業概要
 
今日さまざまな形で「感性」という言葉が用いられ、論じられています。芸術のみならず教育、産業、政治等々においても。一方では感性の喪失が叫ばれ、他方ではよいことのすべてが感性に帰せられています。しかし感性とはいったい何なのでしょうか。芸術に対する理解力?社交性?倫理性?感覚の鋭さ?むしろ日本語で「感性」という場合にはもっと幅広い意味が隠されているようです。
 この授業では、現代における感性への問いの「問われ方」を見極めるべく、毎回さまざまな角度から感性について考えてゆきたいと思います。前期科目「感性への問いの射程」とは多少異なる観点から感性を考えてゆく予定です。できる限り「現場」にスポットを当ててみましょう。音楽、スポーツ、料理、宗教からサブカルチャーなどへの考察も視野に入ってきます。比較文化ないしは異文化コミュニケーション的な観点からもあわせて考えていきます。「感性」と聞いて、英語ではどんな語を思い浮かべますか?この答えをこの授業のなかで探してみてください。本授業の進め方も前期の「感性への問いの射程」同様、時に応じていろいろな領域の方々をお招きして、その方たちにとっての「感性」を論じていただき、それについて皆さんとディスカッションを行おうと考えています。

〈さらす/覆う〉の構造学
(酒井紀幸 他/青木律/かづきれいこ/神末武彦/小沼純一/清水哲朗/田口淑子/中島智章/山本恵子/渡辺万里)

文化構想学部 春学期

(副題:欲望とアイデンティティ)
授業概要
 文化現象の根本構造を検討することがこの講義の課題です。たとえば、化粧で肌を「覆うこと」と素顔の肌を「さらす」こととは、それぞれのコンテクストによってさまざまな意味を持ちうるのではないでしょうか。見せることと見せないこととは、対極にありながらもその相関的関係の中で私たちにさまざまな感情や欲望、判断や想像を喚起するわけです。もちろんファッション、衣食住、芸術、宗教、政治、社会、コミュニケーションなどの文化的領域全般においても同様の構造を見出すことができるでしょう。本講義においては、これらの領域のトピックスについて具体的に考察を進めることによって、さらすことと覆うことの緊張関係の中でどのように文化が構成されているかを検証することになります。
山本担当回
1. 〈さらす/覆う〉の哲学――本来的自己への問い――

ボディイメージ
(酒井紀幸/青木律/かづきれいこ/山本恵子)

オープン教育センター 秋学期

(副題:身体と心の美しさ)
授業概要
 現代においては、美しくなければ、整っていなければ人間ではないかのごとく、さまざまなメディアから美しさに関する情報が浴びせかけられています。しかしながら「美しい」とか「整っている」とは、いったいどういうことなのでしょうか。この古くて新しい問いを医学、リハビリメイク、哲学・美学などの観点から総合的に検討してゆきます。
 授業の内容は具他的なものとなりますが、しばしば専門的になることもあります。とはいえ専門知識に関してはその都度できるだけわかりやすく解説していきます。
 受講者の皆さんは、できる限り自分でこの問題を考え、かつ現実の生活にフィードバックすることを心がけてください。
山本担当回
9.美容整形と現代アート(オルラン)

 

その他:


その他(ゲストスピーカー):

第一文学部卒業論文指導

基礎講義1・2(オンデマンド授業:複合文化論系)

「イメージと感性」(舞踊芸術とイメージ)
「イメージと感性への導入」(舞踊芸術とイメージ)
「文化の哲学」(ニーチェの「文化」批判を読む)
「地中海文化の諸相」(ギリシア悲劇論)
「現代美学の射程」(アポロンとディオニュソス)

 

 

 

 

 

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