授業(早稲田大学・2008年度)

担当科目
生活環境美学
文化構想学部 春学期
講義概要
 本講義においては「美しさ」という言葉の広がりをわたしたちの生活環境の場面のうちで考えてゆきます。
「美しさ」は、一般的に、芸術に特権的に帰せられます。しかしながら、そのような美の既成観念は、じつは美の広がりのごく一部ないしは特定の時代の一局面でしかないといえます。この作品(モノ)は美しい、といった既成観念を捨ててください。
むしろ美の広がりは、わたしたちを取り巻く世界、わたしたちの身体、そして私たち自身につねにかかわるものであるといえるでしょう。わたしたちの習慣化されたしぐさの継承、モノやお金やことばによるコミュニケーションのたえざる流れ、可視・不可視を問わず張り巡らされたネットワーク、制度とそれを超えでる力との葛藤――これらは美の基盤であり、同時に美的対象でありえます。もちろんこれが、文化の本質でもあります。そして「美しいもの」は、モノとして美しいのではなく、絶えず動いてゆくわたしたちの生活環境の中ではじめて美しくもなり、醜くもなるのです。
 こういった観点を前提としつつ、個人のマナーから身体、死生観、芸術、宗教、果ては国家の美までを、射程とします。
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授業計画

1. 「生活環境美学」とは何か
2. 「生活環境美学」の系譜
3. 消費における〈無感性化〉
4. 日常とアートとの間
5. 食と日本の現在
6. 「感性」とは何か/
     機能の感性化(感性価値創造の現在)
7. 商品化される自然
8. 美は実用的なものか?
9. 陶酔について:
    「ギリシア悲劇」から「ジャニーズ」まで
10. 同上
11.都市環境とエートス
12.〈日本的感性〉について考える(1):
      カワイイと萌え
13.〈日本的感性〉について考える(2):滅びの美学
14. 同上
15.国家と美
 
現代哲学の諸問題
文化構想学部 秋学期
 (副題:文化的共生の倫理と哲学) 
講義概要
 現代は、世界的市場の形成と情報化の中で、よい意味にせよ悪い意味にせよグローバル化・ボーダーレス化の急速な進行に直面している。とりわけ無差別テロの頻発、地球環境の破壊などの負の問題に対しては誰もが危機感を強め、国境を越えた対話と対策が急務であることを自覚している。だがこうした危機感が世界的に共有されているにもかかわらず、国家間・民族間・宗教間・文化間の対立は依然として解消される気配がない。世界的規模での破壊と世界的規模での連帯。この現実を踏まえたうえで本講義においては、複合的でありかつ根本的なディレンマを内包する社会状況における「共生」の可能性を、現代哲学が取り組まなければならない根本問題の一つとして、「文化」という観点のもとにわかりやすく具体的に検討する。
 その際に本講義が手がかりとするのは、現代哲学の主要な源泉のひとつであるニーチェ思想である。制度と自己とを徹底的に対立させることによって生のあり方を根底から問い直した後期ニーチェの見解は、今日の状況を読み解くための重要な示唆を与えてくれるであろう。
 ちなみにこういった問題設定が、異文化理解、生活環境、比較文化を語る際の根本的視座をもたらすであろうことは言うまでもない。

複合文化論系演習 感性哲学1(美と芸術の感性研究)
文化構想学部 春学期
講義概要
 芸術の本質が創造性にあるとすれば、その本質ゆえに、芸術の定義(「芸術とは-である」)は常に更新され続けなければならない運命にあります。なぜなら、既存の芸術を超えて新たな芸術が生み出されるときには、同時にそれに合う芸術の定義が新たに必要とされるからです。本演習は芸術作品を理解する基盤となるこの〈芸術の定義〉を問題にします。とくにデュシャン以降の現代アートをめぐる状況において一層複雑化する〈芸術の定義〉の可能性を探ることを目的とします。
 演習形式の授業ですから、現代アートを鑑賞する際の解釈の仕方や疑問について、受講者のみなさんが率直に意見を交換できる場にしたいと思います。また有益な議論を実現するために必要な知識を蓄積するべく、20世紀後半のさまざまな芸術理論について論じられているテクストを用いて授業を進めたいと考えています。
 
人文演習 I
第一文学部 通年(後期のみ担当)
講義概要
 さまざまな時代ならびに観点における死をめぐる言説や事象を前提として、最終的には現代社会における死の問題を検討します。生命体としての死からはじまり、社会における制度的な死、文化における象徴的な死、そして〈わたし〉の死にいたるまで――死にはさまざまな局面があります。ここではまず〈わたし〉の死という倫理的・実存的な問題を手がかりに話を進めていき、さらに死の表皮的儀礼である葬儀、制度やその背景にある宗教、そして芸術作品に見られる特定の死の表象へと問題を展開してゆく予定です。なお履修者には、各自の関心からくるテーマを設定したうえで、口頭発表を行っていただき、さらにその内容をふまえたディスカッションを全員ないしはグループ単位で行っていただきます。積極的な取り組みを期待しています。
基礎演習77
文学部 通年
講義概要
  学問の世界に入るために必要なアカデミック・リテラシー(学問の方法、論文の執筆方法などの知識と技法)の養成を目的とします。具体的には、文章を読み取る力、自分の考えを発表する力(プレゼンテーション力)、議論する力、文章を書く力を身につけていきます。これらは、ゼミ論文・卒業研究、卒業論文の作成の基礎となるだけでなく、社会で活躍するのに必須の能力です。
 春学期では、文献の検索方法と資料収集方法について学ぶとともに、基礎演習データ・ベース(下記参照)にある論文の主旨の読み取りや、それに関する自分の考えをまとめて発表したりします。これらの学習を通して、読解力・プレゼンテーション力・討論力を養います。夏休みの課題は、後期に提出する論文の草稿の執筆です。秋学期からは、本格的に論文の執筆に取りかります。この作業を通して、論理的に考え、それを文章にする力を養います。
 
 
 
担当科目(複数教員による科目)
感性と文化
オープン教育センター 春学期(日本)・夏季(トリア大学)
 
 
美意識の比較研究
オープン教育センター 秋学期
 
感性への問いの射程
オープン教育センター 春学期
 
 
感性への問いの現在
オープン教育センター 秋学期
 
〈さらす/覆う〉の構造学
文化構想学部 春学期
 
 
ボディイメージ
オープン教育センター 秋学期
 
 
 
 
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